一緒にキッチンに立ってケンカにならないの?料理家ぐっち夫婦に聞いた円満の秘訣
夫婦のカタチ
「日々の暮らしを楽しく美味しく。ちょっと、おしゃれに」をテーマに、思わずマネしたくなるレシピが注目を集める料理家のぐっち夫婦。Instagramのフォロワーは、なんと70万人(2020年12月現在)を超える人気ぶり。
今回はぐっち夫婦のなれそめから、夫婦円満の秘訣まで伺うため、ご自宅にお邪魔しました!
- 第一印象は「変わった人だなと思って警戒」。ぐっち夫婦のなれそめ
- 夫婦円満の秘訣は「おいしいごはんを食べること」
- 普段料理をしない男性には、一番派手な作業をまかせるのがオススメ
- お互いの良いところ、直して欲しいところ…。ぐっち夫婦のリアル
第一印象は「変わった人だなと思って警戒」。ぐっち夫婦のなれそめ
編集部
まずは、おふたりのなれそめから伺ってもよろしいでしょうか?
SHINOさん
はい!ぐっちさんとは、職場で出会いました。ふたりとも転職組だったんですけど、ぐっちさんのが私より後から入って来て、背中合わせに座っていたんですよ。
編集部
最初から印象は良かったのでしょうか?
SHINOさん
いや、それが…すごい変わった人が来たなと思ったんです(笑)
編集部
えっ、一体なぜ…?
SHINOさん
入社2日目から自分のデスクで、ドリップコーヒーを淹れはじめたんですよ。
Tatsuyaさん
初日、会社に行ったら、「このケトルの形はコーヒーを淹れられるやつや!」と思ったから…。
SHINOさん
ふふ、おかしいですよね。入社したばかりの会社で、いきなりそんなに個性出せないじゃないですか(笑)。
第一印象は「変わった人だな」と思っていたんですけど、淹れたコーヒーをみんなに配っていて。それを見て、こういうふうにコミュニケーションをとる方なんだ!と思いました。
編集部
それは親しみやすいですね。Tatsuyaさんは、SHINOさんのことをどう思われていたのでしょうか?
Tatsuyaさん
すごく仕事ができる人だなと。仕事面での尊敬から入った感じですかね。
編集部
そこから、どうやって2人で会うように…?
Tatsuyaさん
そんなに大きい会社でもなかったので、みんなとご飯を食べに行ったりしていたんですけど、SHINOさんだけ、なかなかごはんに行ってくれなかったんですよ。
SHINOさん
いや、本当変わった人だなと思って警戒していて。Fecebookも申請が来たんですけど、1か月くらい放置していましたもん(笑)
Tatsuyaさん
その後、残業していたときに「ごはん行こうか!」という流れになった気がします。
SHINOさん
そうそう、最初はそんな感じでした。
編集部
どちらが先に恋愛感情を持ったのか、聞いても良いですか?
Tatsuyaさん
いいですよ! そりゃ、SHINOさんですよね。今でもずっと追いかけられています!
SHINOさん
えっ、ちが~う!(笑)
SHINOさん
一緒にごはんを食べに行ってから、「遊ぼうか」という話になって。駒沢公園に行くデートをしたんだよね。そしたら、ぐっちさんがお弁当を作ってきてくれて。
編集部
えっ、お弁当を!?
Tatsuyaさん
はい。ちょっと重いですよね(笑)。公園といえば、やっぱりお弁当があるといいなと思って。
SHINOさん
塩こうじそぼろ弁当を作ってくれたよね。卵焼きの中に韓国のりが一緒にまかれていて、「すごい!」と思いましたね。まだ付き合ってなかったときだから、お弁当にはびっくりしたけど(笑)。完全に胃袋をつかまれましたね。
Tatsuyaさん
逆胃袋(笑)。つぎのデートでは、SHINOさんがお弁当を作ってきてくれました!
SHINOさん
カオマンガイを作ったね。
Tatsuyaさん
それがすごくおいしくて。これまで、自分より料理がうまい人に会ったことがなかったんですけど、「この人、俺より料理うまいかも」と思いましたね。
SHINOさん
絶対付き合いたくないですよね~(笑)。
編集部
女性からしたらハードル上がります…。
Tatsuyaさん
僕はごはんを食べるのが好きなので、1日3食、食べたとしても、30年40年経ったらすごくたくさんの料理を一緒に食べることになる。なので食の趣味が合う人がいいなと思っていました。
編集部
お互いの味の好みも合いますか?
SHINOさん
作る料理の味は違うんですが、ぐっちさんの料理を食べて、こういう味もおもしろいし、おいしいなと思いますね。
Tatsuyaさん
作った料理に「こうしてほしい!」みたいなのは基本的にはなくて、お互いが自信をもって作っているので、そこは尊重しています。
編集部
リスペクトしあえる関係なのが素敵ですよね。お付き合いから結婚まではどのくらいの期間だったのでしょうか?
SHINOさん
早かったんですよ。9月に付き合って、翌年の3月に結婚しました。とくに急いでいた訳ではなかったんですけど。
Tatsuyaさん
タイミングですね。
編集部
付き合って半年で結婚に踏み切った決め手は何だったのでしょうか?
Tatsuyaさん
SHINOさんは、僕に持っていないところをたくさん持っていて。彼女に持っていないところを僕が持っていて。
仕事もプライベートも含めて、2人だと2倍にも3倍にもいいものができるなと思いました。プライベートでも食の話をしたり、共通の話題がたくさんあって。一緒にいたら人生がお互いに楽しくなるのかなと思ったのが決め手ですね。
編集部
それが現在、Instagramのフォロワー70万人を超える人気ぶりですよ。Tatsuyaさんの直観は間違いなかったですね。
SHINOさん
じつはInstagramをはじめたのは結婚前、付き合って3か月くらいのときなんですよ。最初は家で作ったカルボナーラをアップしました。
Tatsuyaさん
そのときは、まだ「ぐっち夫婦」とも名乗っていなかったんです。だから、現在のようになることは、まったく想定していませんでした。
編集部
何がきっかけで爆発的に人気が出たのでしょうか?
SHINOさん
タイミングはいくつかあったんですが、最初はたしかアボカドの種のところに卵の黄身を入れるレシピがバズって。「この写真の料理はどうやって作るの?」ってコメントやメッセージをいただいて。
それに少しでも「お答えできたらいいな」と思って、レシピを載せるようになり、見てくれる方が役立つものを意識するよう変化していった感じです。
夫婦円満の秘訣は「おいしいごはんを食べること」
編集部
一緒にいる時間が長いと思いますが、仕事もプライベートは、どのように分けているのでしょうか?
Tatsuyaさん
一緒に買い物行ったりとか、映画を観に行くときありますけど、休みは休みで別々に行動したり。この前だと、僕は友人と釣りに行って、SHINOさんはミュージカルを見に行っていたよね。
SHINOさん
そうそう。あまりお互いの行動を強要しないというか、誘い方も「明日買い物行くけど、行く?」みたいな。
Tatsuyaさん
一緒に行くなら「おいしいもの食べて帰ろうか」ということになるけど、強要はしないですよね。その辺はお互いの意思を尊重しています。
SHINOさん
無理に行って、退屈な思いしたりするくらいなら、ひとりでゆっくりおいしいごはんを食べたいです(笑)
編集部
ひとりの時間も大切にされているんですね。そんなおふたりが、ケンカをすることはあるのでしょうか?
SHINOさん
そうですねぇ。ぐっちさん、ぷんぷんしてるときあるよね?
Tatsuyaさん
そう、俺だけぷんぷんしてるよね。
編集部
「ぷんぷん」って言い方がかわいいですね(笑)。どういうときに、ぷんぷんするんですか?
Tatsuyaさん
ちっちゃいことすぎてあまり覚えてないんですよね。僕は、終わったことは忘れちゃうタイプなんですよ。だから記憶にないなぁ。
SHINOさん
小さいこと過ぎて例に出すのが恥ずかしいくらいだよ(笑)
編集部
Tatsuyaさんの機嫌が悪いとき、SHINOさんはどうされるんですか?
SHINOさん
「どうしてそう思ったの?」って聞いたりして、ぶつかることはしないですね。
Tatsuyaさん
彼女のが大人なんです(笑)
編集部
ほかにも、夫婦円満の秘訣はありますか?
Tatsuyaさん
僕らは「おいしいごはんを食べる」というのがあるかもしれませんね。料理家だから、毎日家で自分たちの作ったご飯を食べているイメージを持たれることもあるんですけど、そうではなく、お気に入りのお店に行くことも大切にしていて。そこでアイデアが浮かんできたりすることもありますね。
編集部
それはいいですね!
Tatsuyaさん
おいしいもの食べるとしあわせな気持ちになるじゃないすか。だから、ケンカした日は仲直りにごはんを食べに行ったり、たこ焼き買ってきたりね(笑)
普段料理をしない男性には、一番派手な作業をまかせるのがオススメ
編集部
一緒にキッチンに立つときに決めているルールなどはありますか? よくケンカにならないな…と。
Tatsuyaさん
ポジション取りとかね(笑)。そこはお互いに役割分担していますね。
SHINOさん
お肉を焼きはじめたら、私はサラダを作ろう!とか。炒めた後とか、「ちょっとキレイにしてね」って思うこともあるけど。
Tatsuyaさん
(笑)
編集部
文句を言うと機嫌を損ねちゃって、料理してくれなくなっちゃうので、グッと我慢する…という奥さん側の声もよく聞きます。
SHINOさん
ずるいよ、男の人は(笑)。
でも、キッチンで料理を作りながら、飲んだり、会話をするのもたのしいもんね。キッチンが良いコミュニケーションの場になっていますね。
Tatsuyaさん
夫婦やカップルで一緒に料理するのは、オススメだよね。
編集部
普段あまり料理をしない男性に、キッチンに立ってもらうことのハードルが高いと思うんですが、どうしたらやる気になってくれるのでしょうか。
Tatsuyaさん
そうですねぇ…。包丁で野菜を切るとか、皮をむくとか、子どもでもできそうなことを任せがちですけど、下処理ばかりやらせると、料理がつまらなく感じてしまう。
だから、フライパンを振るとか、揚げ物を揚げてもらうとか、一番派手な作業をまかせると良いと思います。
SHINOさん
あと、炒めている横から「わぁ!すごくおいしそう!男の人がやると違うね」なんて言ってみたり(笑)
編集部
なるほど!とてもいいことを伺いました。
お互いの良いところ、直して欲しいところ…。ぐっち夫婦のリアル
編集部
次の質問にうつりますが、お互いの良いところを教えてください。
SHINOさん
どこだろうなぁ。
Tatsuyaさん
一緒に仕事をすることが多いですが、現場にいるひとりひとりに気配りをして、やさしいところですかね。素敵だなと思うし、すごいと思います。
編集部
今日お会いして、すごく感じています!まず、話し方がやさしいですよね。
SHINOさん
そうですか?母親と話し方が全く一緒らしいですよ(笑)。ぐっちさんの良いところは…決断力があるところですかね。
編集部
決断力ですか。
SHINOさん
視野が広いんですよ。自分の考えにとどまらず、いろんな人とコミュニケーションをとって、親しくなるところもすごいですし、最初のコーヒーの話じゃないですけど、仲間を増やすのが上手。自分が完璧だとは思わず、人の力も借りつつ、周りの人といい関係を築いていくところがすごいと思います。
編集部
これ以上ない、完璧な回答をいただきました…!
Tatsuyaさん
ありがとうございます(笑)
編集部
逆に直して欲しいところはありますか?
Tatsuyaさん
僕はないですね!(即答)
SHINOさん
でたでた(笑) 。いつもそう言うんですよ。私は、料理を作った後の片づけをしてほしい!家で飲んで床とかで寝ちゃったときに、飲みっぱなしの缶とか片づけてよ!っていつも言ってます。
Tatsuyaさん
床で寝ると気持ちいいんですよ(笑)
あ、SHINOさんに直して欲しいところ、思いつきました!自分の趣味の時間をもってほしいですね。前は料理が趣味だったけど、いまはそれが仕事になりつつあるので、なにか気分転換になるような時間があるといいですよね。
編集部
文句ではなく、SHINOさんを気遣ってのメッセージに愛を感じます。最後になりますが、今日はお互いに手紙を書いてきていただいたんですよね。
SHINOさん
はい!手紙なんてもらう機会がないからうれしいです。
Tatsuyaさん
照れますよね(笑)。
<SHINOさん→Tatsuyaさん>
<Tatsuyaさん→SHINOさん>
おふたりが付けていたおそろいのエプロンについて伺うと、「これ、Tatsuyaさんが買ってきてくれたんですよ。でも、自分の分だけ2枚買ってた(笑)」と、かわいい笑顔で裏話を教えてくれたSHINOさん。
おふたりの空気感やエピソードがあまりにもかわいらしく、しあわせな気分になりながら、ぐっち夫婦のお宅を後にしました。
〈取材・文=編集部/撮影=オカダマコト〉
どこのスーパーでも手に入る手近な材料でパパっとつくれることにこだわったぐっち夫婦のレシピも必見です!